サッカーだけでなくスポーツ全般において、パフォーマンスを向上させるため、けがの予防において重要なのは入念なウォーミングアップメニューです。
しかし、少年サッカーにおいては指導者の専門性によってその方法や順番によって効果的ではないメニューが実施されてしまっていることがあります。
今回は筋肉のつくりなどの理論に基づいて、よくあるメニューの効果を上げる方法を紹介します。
正しい順番はジョギング→ストレッチ→ステップ系
試合前のウォーミングアップといってまず思いつくメニューといえば、ジョギングやストレッチ、ブラジル体操やラダーなどのステップ系のメニューでしょう。
これらのメニューは非常に理に適っているものでどれも少年サッカーにおいては欠かせない練習メニューです。
しかし、それぞれのメニューがもつ意味は異なるものでこれらのどれか一つを行えばいいと思っているのは間違いです。
少年サッカーでは試合前のウォーミングアップでいきなりストレッチをしている光景をよく見ます。
しかし、まずはジョギングなどで体を温めることが理想なのです。
筋肉は運動を始めるまでは固くなっている状態です。
冷凍庫に入れたお肉をまず解凍した方が肉の弾力が出るように、筋肉の構造も同じでジョギングなど軽いメニューでまずはストレッチの効果をより引き出すようにすることが理想なのです。
ストレッチはゆっくり長く伸ばそう
次にストレッチについてもよく見る光景は初めから「1、2、3・・・」と声をかけながら小刻みに動いているものをよく見ます。
これも間違いではありませんが、効果的ではないといえます。
ストレッチには大きく動的・静的なストレッチがあり、上記の声をかけながら行うものは動的なストレッチに分類されます。
少年サッカーのメニューにおいてはまず、筋肉をしっかりと伸ばすことが重要ですのでこの場合はゆっくりと長い時間をかけて行う静的ストレッチのほうが効果的と言えます。
筋肉は繊維でできており、その中の組織がしっかりと伸びるまでには数分必要という文献もあるため、私が指導する際は少なくとも1分以上、痛くない範囲でゆっくりと伸ばしていくように指導をしています。
もちろん動きの中で筋肉を慣らしていく動的なストレッチも必要ですが、これらをカバーするのがこの後のブラジル体操やステップ練習になりますので、まずはけが予防にしっかりと筋肉を伸ばすような指導を行っていきましょう。
いかがだったでしょうか?意外と間違った順番でメニューを実施している方は多いようにおもいますので、この記事をぜひ参考にしていただければと思います。